よくある質問「RPAに向いている業務って何?(vol.13)

2022.01.24

RPAの導入をご検討される企業のなかでは、企業規模や業種に限らず、RPAの適用イメージがわかずにRPA導入検討がなかなか進まなかったり、とりあえず導入したが広がらない企業が見られます。確かにRPAとはあくまでプログラムであるがゆえに、企業の業務の中には、RPAに向いている業務もあれば向いていない業務も存在します。ですのでRPAの特徴を理解することによって、RPAに向いているものや向いていないものが見えてきます。
本記事では、RPAに向いている業務と、RPAを使った自動化に向いていない業務の考え方を解説いたします。

必ず聞かれる「RPAに向いている業務って何?」

「対象候補の中からRPA化に適した業務を見極めてほしい」という依頼を多く受けます。これまでの成功事例から企業にとっては導入するメリットがわかってきているものの、実際導入を検討するにあたってはどのように考えるべきかを理解している企業は少ないと感じます。
RPAは従来、人によって行われていた単純作業を自動化することによって、作業時間を短縮できたり、正確性を担保できます。ただし、すべての業務に対して効果的かというとそうではありません。適切な業務を見極めてRPA化することが、RPA導入メリットを最大化するための条件となります。

RPAに向いている業務とは

適用するには期待される効果がでないと意味がありません。効果が出る業務の条件としては以下の通りとなります。

  1. 業務全体が定型化されたもの
    作業の全ての工程が決まっている業務のことを言います。RPAはあくまでも人の作業を模倣するものになります。定型化された作業は人の判断が入らない単純な作業といえます。
  2. 大量なデータを扱うもの
    大量なデータを一度に集中的に処理することは得意としています。画面への入力やデータベースからのデータ抽出、Excelなどを用いたレポートへの加工などは人が行うよりもはるかに効率的に行えます。大量なデータの処理は人で実施すると労力もコストもかかります。また作業する人のストレスにもなるので、定量的にも定性的にも効果が大きいといえます。
  3. 上記1. 2. かつ繰返し行われるもの
    同一の作業を繰り返し行うような作業については非常に適しています。人が実施するよりも高速かつ確実に作業を完了することができます。

RPAに向いていない業務とは

向いている業務がある一方で、RPAに向いていない業務は以下のようになります。このような業務へのRPA化は効率化が図れなかったり、安定したRPAの運用を阻害する要因になったりします。最悪のケースは、RPAが利用されなくなる原因となるので注意が必要です。

  1. ルールが頻繁に変わる業務
    RPA化できる業務だった場合でも、頻繁にルールや仕様が変わるような業務には注意が必要となります。どんな軽微な変更でも修正が必要となるため、その都度RPAを止め、修正の間に人手で作業してもらうケースもあります。これが頻繁に続くことで導入が返って作業の効率を下げる結果になる可能性があります。
  2. 人の判断が入る業務
    RPAは、都度判断が必要な業務は行えません。例えば紙をOCRで電子化したデータに関して、この文字が正しいかどうかを判断したり、適切に修正したりすることは困難です。人のロジック化できない思惑や忖度や感覚といったものが入るものは不可能ですが、過去データからの経験則から類推する手段としては、RPAとAIを組み合わせれば実現が可能となる場合があります。
  3. 例外が多い業務
    たとえ向いている業務に合致していたとしても、例外が発生するとRPAは止まってしまいます。また例外を都度RPAに組み込むことは可能ですが、すべての例外を組み込むのは事実上困難であると思います。
  4. RPA化した場合に複雑度の高い業務
    以下のような業務をRPA化したケースにはRPAの性質(他システムに対してアクションを行う)上、障害ポイントが多くなるため障害が発生する割合が高くなります。
    ・多くのシステムをまたいで動作すること
    ・扱う画面数や入力する項目数が非常に多いこと
  5. 変更頻度が高いシステムを扱う業務
    業務とは多少離れますが、扱うWEBシステムや社内システムの中には、画面の更改がある場合があります。RPAは画面等のオブジェクト(ボタンや入力フィールドなど)を内部構造を元に一意にして特定しています。つまり画面の内容が変わると構造が変更になるため、RPAがそのオブジェクトを判断できずに止まってしまう場合があります。その時はRPAのプログラムをその画面に合うように修正しなければなりません。ですので、画面の更改が頻繁にあるようなシステムに対してのRPA適用は注意が必要です。

まとめ

RPAは業務効率化にとっては非常に有効なツールですが、適用する業務を適切に見極めなければ、その恩恵を受けることができません。向いていること・向いていないことを正しく理解し、しっかりと見極めて導入することが重要です。

弊社ではRPAの推進と活用をもう一度はじめたい方に参考になる資料「今こそ言える、RPA成功への近道 ~推進と活用の2軸から‘もう一度’はじめましょう!~」をご用意しております。本資料は、RPA導入や再活用に向けて必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。