RPAの課題~最初からわかっていれば怖くない~(vol.2)

2021.12.27

多くの企業がRPAを導入して、労働時間の短縮や作業効率化を図っています。ただし、導入後も様々なところで似たような課題が浮き彫りになっていることも事実です。RPAがメジャーになった今、RPAを速やかに導入し安定的な運用を行いたいものです。そして、あらかじめ起こりうるであろう課題とその原因について、先人から学び自分のプロジェクトに活かすべきです。本ブログではRPAの導入後における課題とその解決策について解説いたします。

RPA導入には課題がたくさん?!

RPAを導入してきた多くの企業ではさまざまな課題を乗り越えて成功を収めています。RPA導入するだけで業務効率化が図れるわけではなく、その準備作業や周囲との協力体制の構築に多くの時間をかけているのが実態です。

RPA導入後のよくある課題とは?

RPAを導入後に頻出する課題の代表例は以下の通りになります。

  • 効果を実感できない
    多くの企業でRPAによって自動化を推進して、業務効率化を図ることに成功しています。なのでRPAを導入すればすぐに効果が出ると思いがちですが、それは違います。企業は様々な工夫を経て最大の効果を発揮しているのが現状なのです。特にRPAに効果的な業務を選択しないとむしろ手作業が多くなったり、業務が分割されてしまいます。結局、人手の作業の方が早いという結果になることもあり、効果を実感できずにいる企業も少なくないと思います。
  • スケールできない/適切なRPA化対象業務を見つけられない。
    スモールスタートで開始できることがRPAの利点であり、多くの企業がPOCを経て全社拡大を行っています。ただし、POCで開始をしたものの、次のRPA化対象の業務が見つからなかったり、他部署からの協力を得られずに利用の拡大ができていないという企業も多くみられます。
  • 体力不足
    RPAを全社に向けて拡大をしていくためには全社横断的な組織を作って、各役割を分担して進めていく方法が一般的となります。開始当初ではプロジェクトマネージャを中心として役割を兼務するなどで実施していけますが、全社への展開し本格的に、ロボットが増えていったり、要望される対象案件が増えていくにしたがって、兼務での実施が難しくなり、運営のボトルネックになってしまいます。利用者からすればボトルネックになり運営が滞ることによって、いつまでたってもロボットが完成しません。対応が遅れてロボットを利用しなくなるという可能性もあります。
  • 保守に追われる
    RPAを導入したものの、仕様の変更や不具合などの対応に追われるなどで、開発する要員が不足するケースがよくあります。RPAはローコードツールであり簡単に開発できますが、障害時のデバックや切り分けなどについてはある程度のリテラシーが必要となることも事実です。またツールを熟知したメンバーの異動や退職によって対応ができなくなり、RPAを利用されなくなる場合もあります。
  • 品質への不安
    RPAの導入において最も重要な部分は、いかに現場の負荷を減らせるかです。特にEUCにおいては実際の現場担当者が開発することもあり、どうしても技術力には限界があります。自動化を期待して導入したロボットが肝心なところで止まってしまったり、エラーの箇所がわからなかったりして、修正にも時間がかかり、修正が後回しになるケースもしばしば見受けられます。そうするといつの間にか利用されなくなったりしてしまいます。

RPA導入後のよくある課題の原因と解決方法

  • 導入目的が明確化されていない・共有されていない
    RPA導入は目的ではなく、ビジネス目標を達成するための手段です。にもかかわらず、いつの間にかRPA導入が目的になっているケースがあります。特にトップダウンで導入する際には経営幹部や現場を含めた関係者とRPA導入に関する意義や目的、効果測定方法を関係者全員で共有しましょう。目的が明確でない仕事ほど苦痛なものはありませんし、現場のモチベーションにも関わります。また、継続的に取り組めるようKPI/KGIを明確にし、共有することによってぶれない体制を作れます。
  • 社内のRPAへの理解不足
    大きな期待を持って導入したものの、RPAが途中で止まったりと期待していたものとのギャップから、利用されなくなったりするケースがよくあります。利用する側からすればRPAはシステムの1つでしかありません。確実に正確に稼働することが当たり前と考えるのも当然です。しかしながらRPAはどれだけ丁寧にテストを行ったとしても、その特性からRPAで100%の稼働を求めるのは事実上不可能です。このようなRPAの特性を利用者含めて関係者全員に理解してもらえるように努めていきましょう。そして展開に際しては成功事例共有会などを通じた啓蒙活動、社内広報などの認知活動を通じてRPAのファンになってもらう活動を行っていき、その裾野を広げていくとよいでしょう。
  • 業務内容の整理不足
    業務内容の整理をしないもしくは曖昧なままでRPAを導入し、RPA化に向かない業務をRPA化してしまうケースがあります。RPA化によって業務の作業が分断し、人による作業よりも業務効率が悪くなってしまう場合があります。まずは業務整理し業務を作業レベルに細分化し、作業の不合理性や関連性を見える化しましょう。業務における問題点や課題が明確となりますので、業務フローを最適に整理し、RPA化によって解消できるかどうかを判断できるのです。
  • RPAの社内運用体制不足
    RPAを全社で推進するためには全社を横断した組織を組成することが重要となります。個社の事情を除けばRPAを推進していく上で必要な大まかな役割はおおよそ決まっていますが、その体制に合わせた社内での協力体制を構築していきましょう。役割をアサインする際にはRPAの特性を最大限に活かすために、各部署・各担当の特性に合わせた役割定義を明確にします。
  • 開発ルールの不備
    特にEUCにおいてはRPAのツールと教育だけできればあとは現場が対象案件を見つけて開発できると思いがちです。しかし現場に個別に開発を任せると、思いもよらない利用方法によりデータを壊したりします。運用後にエラーが発生してもエラー箇所がわからずに、問題箇所の特定に時間がかかってリカバリが遅れる場合が多くあります。これによってRPAに対しての現場への印象が低下してしまうのです。開発する際には、開発の効率性を考えてフレームワークを利用し、運用保守を考えた、プログラム上のルールを作成しましょう。フレームワークを利用すると、開発者は余計なフローを考えることなく決められた設定をするだけで、外部からのデータ受け渡しやエラー時の処理等を行っていけます。その結果、開発効率も運用効率も上がります。
  • 運用ルールの不備
    開発のルールについては開発時に決めるケースが多いですが、運用ルールを決めずに運用を開始してしまい、さまざまな問題を引き起こしてしまう場合があります。特にRPAが止まってしまった場合には直接的に業務に影響を与えてしまいます。利用者にはその点を留意してもらった上で業務的なバックアップ含めて合意を必ずとっておきましょう。またガバナンスの観点から言うと、ロボットの管理や利用ログといった点についても、管理方法や取得方法、担当者をしっかり決めて多く必要があります。
  • 開発者・保守担当者不足
    EUCとして自社で現場要員を育成して開発を進めたものの、現場でのRPA化すべき業務を正しく判断できないケースがあります。また開発を実施して技術的な部分で詰まってしまい、開発効率が悪くなり、RPA化が進まないケースもよくあります。継続してEUCを実施していくためには、RPAに関する教育や技術的なフォローができるような仕組みは不可欠です。計画時にはこのような点を踏まえて検討を行っていとよいでしょう。
  • 人材育成不備
    一般的に企業においては人員の異動や退職などもあり、恒久的な要員確保が難しくなります。ですので、これらを見越して継続した育成計画の策定をあらかじめしておく必要があります。解決策として、次の世代の育成を見据えたサイクルを検討するのが望ましいと思われます。代表的な教育には以下のものがあります。
    ・開発ツールに関しての技術教育
    ・管理ツールに関しての技術教育(運用教育)
    ・RPA化事例研究
    これらは内製では困難であると思われる場合は、ベンダーのサービスの利用をお勧めします。

まとめ

導入後に冒頭に記した課題を顕在化させないためにも以下の4点に留意しておきましょう。

① 社内全体で導入目的を定めて共有すること
② 業務内容をしっかりと整理しておくこと
③ 開発/運用ルールを整理しておくこと
④ 要員の育成及び確保手段を確保すること

導入後のさまざまな問題に対してあらかじめ理解しておけば、その対処もスムーズにできるかと思います。

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